勿論主観の話ばかりになるが、結論からいうと今まで一番面白いと思っている。
今回の内容で、明らかに依然と違う点が幾つかある。それぞれを良かったと感じている。
まず今回のドキュメンタリーの内容が前回の続き物ではないという点。
前回公開が2013年2月で、ちんさんの卒業発表で幕を閉めた。今までの制作内容から考えれば、それから映画公開までの期間にAKB48グループに起こったイベントを中心に描いていってたはずだった。
しかし蓋を開けてみれば、「今」のAKB48グループを中心に描いていた。卒業した人は殆ど「過去の人」扱いで、優子のことは今回で詳細に描いたのでともかく、ちんさんしーまりオカロと主要メンバーのこの期間の卒業風景は殆ど描かれなかった。
次に、話の骨子がイベント中心ではなく人の繋がりに視点を移したという点。
大島優子の卒業というグループにとっての一大事件を注目して語っていたことは興行上順当ではあるが、それ以外はイベントありきでメンバーの舞台裏を見せる内容、というものから今回は人の物語がありきだった。
十夢の成長の軌跡は場面場面ごとに起承転結をつけていたし、ドラフトを含めて研究生同士で教えあうメンバーの上下関係を描いた部分は今まで見せてこなかった部分でもある、それぞれ想いを世代を超えて伝えるというようなメッセージも見て取れた。
さらには、今まで以上に、本音が見聞きできたと感じている。
ゆーりん、大組閣時裏に引っ込むまではそれまで目に見えていたけれども、そのあとの叫びはまさに心の叫びだった。痛々しくもあるが、やっぱりそうだよなと思っていたものが実際そうだと安心もさせられる。
大組閣後のすー、華怜、それぞれの進む道が違ってしまったけれども、その苦しい過程をここまでさらけ出してカメラの前で語っていたメンの記憶はない。どっちが正解なんてのも言う気はないし、どっちもそうだよなと思わせる。
(ファンはそう思ってないけど)真面目と言われ続けているなぁがふてくされ、なっきーが年上としての対応を見せる。運営が狙いたいキャラづけとは全く違うけれどもこれも真実なんだし、きっと映画を見に行った人のそれぞれのメンの印象が変わる場面だろう。
国立が中止になる瞬間の当の優子自身の悔しがり、本人の気持ちが分かったなんて勿論言えないが、感じるものがあった。メンバーの当日ぐぐたすでの「悔しい」発言に違和感を感じていたのは、これを見れてなかったからだろう。
製作期間の制約があったのかなぁ?と勘繰るところも若干あるけれども、「今」に続く過程を描いたということはやはり評価したい。卒業を逐一描いていてはきりがないし、個人的にはオカロ以外の卒業にあまり興味がなかったということもある。
人の描き方には、今までにない、コアなファンが想像しているあろう「それぞれのドラマ」がそこにあった。今までとの視点の違いがあるから受け取り方にとって評価は違うかもしれない。選抜推し(もっと言えば選抜しか知らないライト層)は、知らない子の話を振られても…?という感覚だろう。そういう意味ではドキュメンタリーでの間口は狭まったかもしれないけど、そういう客層はそもそもこのドキュメンタリーを見せるメインターゲットではないように思う。
KsDDだメンを全員知ってなきゃなんて必要はなく、AKB48グループの子が描く、表面上より深いドラマを見たいというファンにお勧めしたい。
ちなみにだが、選抜ではないけど映っている子が偏ってて、どうも製作者の推しが反映されてるかもしれないという側面は否めないw
てか、俺のなっきーが見つかっちゃうよ!
(*追記)
チーム4のことは、正直最初から期待していないかったので、むしろ大組閣のさっきーを拾ったことのほうがビビったくらい。
だって、俺らが知ってる最強のチーム4は、13期が劇場デビューしたあの時から手つなを終える最後までを描かないと語れないから。そしてそれをこの映画に求めるには余りにも足りない。